sakaname’s blog

日頃のランニングやサイクリング、トレーニングをメインに、今読んでる本の事など綴ります。

#182 トランスオーストラリアフットレース:Day53

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月27日(火) 晴れ 

Ballarat~Melton

 Day53 

総距離:82.0km/総距離:3538.1km タイム7:21:26 

4位

 

 なんとイギリスのBobby Brownが3位、1位はAndreiがとった!

Mihalyとラストまで並走、ゴール地点がわからずスプリントにならなかった。

山あり、谷あり、湖あり、未舗装砂利道あり、そして最後は町の中。

 

昨日、ポリスの先導でゴールしたアーケードの中心から、やや離れたアーケードの端がスタート地点。

このレースが始まって53日目、初めてターンシートが配られた。

今日のコースは、曲がるところが多いためか、このターンシートに加えて、曲がるところ(ターンポイント)の路面には、「小麦粉」でしっかりと白い矢印が描かれていた。「やればできるじゃないか」と今さら思う。そのお蔭で迷うことなく走れた。走りに専念できてありがたい。

道順を示すボードを設置するPeter Grey

道順を示すボードを設置するPeter Grey

街中を抜けて、農家の点在する丘陵地帯にやって来た。アメリカのニューイングランド地方を思い出す風景。

トイレに行きたいけれど、道路脇の草はきれいに刈り取られ、木立ちがあると、そこは家の前であったり、なかなかいい場所がない。我慢しつつ13kmまで走る。当然速くは走れないが、それでも前方のDusanら3人のグループは遠ざからないから、彼らもペースは速くないみたい。ようやく木陰を見つけて用足し。

 

トイレストップの間に広げられた前のランナー達との差を、少しずつ詰めて行く。

小さな集落をいくつか通り過ぎ、前方に2人のランナーを目視したところで、2度目のトイレストップ。これは素早く済ませ、すぐに復帰、2人に追いついた。DusanとWolfgangだった。2人共に今日はペースを落としているのか、しばらく並走した後に、先行する。

 

昨日、今日とどうも胸やけがするので、梅干しを一つもらい口に入れた。

 

コースは、鉄道の線路沿いになり、やがて未舗装の砂利道になった。10km近く続く砂利道を走り、前にMickを発見。特に追いかけるつもりはなかったが、砂利道が終わり、急な下り坂(けっこう長く続いた)で差が縮まり、Mickのさらに前を走るMihalyと2分差と教えてもらう。そこから、さらに上り(急坂)、下り(これも急坂)を数回繰り返していると、前の2人が、すぐ近くになってしまった。残り16kmくらいのこと。他のランナーが近づくと勝負モードに入る。まず、Mickを追い抜いてから、Mihalyと並走に。アップダウンを利用し、下り坂で少し差をつけて、それに続く激上りで一気に差を広げ、しばらくペースアップを続けてみた。Mihalyはしぶとく、じきに追いついてきた。ペースを落としてまた並走する。しきりに「How far to go?」と聞いてくるので、けっこう脚にきているのかな?

Meltonの町中に入り、スタッフのDonを発見、一度レースから離れていたけれど、戻って来たみたい。Donとの再会に、手と手でハイタッチ!

左から僕、Wolfgang、Mihalyの3人

左から僕、Wolfgang、Mihalyの3人

Donと会ってから3kmくらいでゴール。だが、ゴール地点がわかりにくく、ゴールスプリントするタイミングを逸する。ちょっとした大きさのショッピングセンターを、ぐるりと回るようにして走る。(元々出場選手だったPeter Greyが走りながら先導してくれたが、ちょっと邪魔だった)建物の途切れたところを右折、20mほど先にゴール地点に立つKawika発見。そこからショートスプリント、Mihalyに先行できた。Mihalyはフィニッシュ地点がわからなかったらしく、スプリントできず、最後ふてくされて歩いていた。

 

ゴール地点では、ちょっとしたフェスティバル。地元の人たちがホットドッグとビールを準備していて、ランナーはフリーで食べて飲んで楽しませてもらった。へたくそな英語でも、それなりに会話を楽しめるようになってきた。

 

町のプール&スパ(Kalgoorlie以来久々)を無料で使わせてもらい、1時間くらいスパのジャグジーでくつろいだ。プールにも入り、100mクロールで泳ぐ。

 

Melton Moter INNに泊まる。ツイン85Aussie$。

隣にあるレストランでマレーシア風のヌードル麺を食べたら、味が濃すぎてくどかった。ステーキにすれば良かった。

 

Davidに電話したら、「明日、お昼頃、Melbourneに行く」という嬉しい返事。

 

大会主催者のBernieは、数日前に「No more 80km」と言って80km以上のステージは、もうやらないと公言していたのに、今朝いきなり「今日のステージは82km」とスタート前に告げられた。いつもながら走っている側のランナー達は「かちん」ときていた。大方の予想では「多分、また80km以上のステージはあるだろう」で一致。

 

この日1位でゴールしたAndrei、実はゴール地点を見逃して、500m近くも余計に走っていたそう。

わかりにくかったゴール設定のことで、AndreiのサポートクルーのPeter(スロベニアのテレビクルー?かロシアチーム全体のサポートか?どちらか。ピートルと呼ばれていた)が、大会スタッフに回ったPeter Greyに抗議?したらしく、それがきっかけになり、殴り合いのケンカになってしまった。ピートルは怪我して頭を包帯でぐるぐる巻きにされていた。普段は2人共、優しいのにな。

 

<続く>

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#181 トランスオーストラリアフットレース:Day52

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月26日(月) 晴れ 

Buangor~Beaufort~Ballarat

 Day52 

ステージ距離:62.9km(Competition)+4.3km(No Competition)/

総距離:3456.1km タイム5:34:59 

6位

 

腰痛に左脚アキレス腱痛、思い通りに走れなかった。が、ラスト3kmから追い上げ、Mickとスプリントに!(負けた)

 

朝は涼しく虫の音が響き渡り、すっかり秋の気配に。空が晴れ渡り満天の星。

Beaufortの手前に、一つ大きな丘があり、それを越えて行く。

ひと頃の軽快な走りが出来ず、集中力も続かない。

速いペースで走れない中、ただ一歩一歩前に足を動かしているだけ。

 

23km地点、Beaufortの町を抜けたところで、トイレストップ。Mickに抜かれて7番手に後退。

その後、いつも通りの走りなら容易く追いつけるMickに、なかなか追いつけず。逆に差は開いてしまう。

 

エイドでのコーラの炭酸がきつく感じた。胸やけする感じ(こんなことは今までになかったこと)、胃腸にも相当疲れがたまっているみたい。コーラに1割くらい水を加えて薄めてもらった。他のランナー(AndreiやMick)もコーラの水割りを常用している。(コーラの水割りを、今まで馬鹿にしていた自分が情けなく思えてきた)

 

「こういう日もあるさ」と自分で自分を慰めつつ前進する。

前方に見えている、Mick、Wolfgangに追いつけないもどかしさ。

 

幹線道路A8から地方道へ右折、その少し手前に大きな湖(Burrumbee)があり、景色・景観はとても良いのだが、体は相変わらず動きがにぶい。こういう日は、脇を通り過ぎるロードトレインの風圧が、余計に堪える。

 

地方道に入ってから、前を行くランナーとの差が少しつまり、残り8kmくらいで、Wolfgangを抜いた。残り3kmでスパート、一旦Mickに並び、スプリント勝負。が、ラスト100mで力尽き、Mickに負けた。

ミニ凱旋門がゴール

ミニ凱旋門がゴール、左下にちっちゃく私が写っている

ミニチュアの凱旋門(パリにあるやつ)みたいなところが今日のゴール。

そこからBallaratの町の中心地まで、ポリスの先導を付けてのパレード走行(4.3km)、12時半に先にゴールしていた第1陣がスタートする。それまで45分ほど、ミニ凱旋門のところで待機。

 

ポリスの車、地元のビール会社の車(その会社のキャップをかぶらされた)の先導に従う。ビール会社だけにゴール後ビールが飲めるのだろうと、期待して(他のランナー達も)街中のメインストリートを走る。前宣伝が全然なかったのか、周りの人々の反応は今一つ。アーケードの中のゴール地点に着いたが、特に報道機関の取材があるわけでもなく、観衆がいるわけでもなく。

ポリスの先導で街中へ

ポリスの先導で街中へ

ビール会社の車が先導

ビール会社の車が先導

お揃いのキャップとユニフォーム

お揃いのキャップとユニフォーム

おまけに期待のビールの1本もなく、残念な結果だった。変に期待しただけガッカリ感強い。ビール会社のキャップがもらえたので、それで充分良しとしよう。

 

Lake Wendoureeのキャラバンパーク、キャビンに泊まる。10%ディスカウントのAussie$59.40。

晩ごはん、街中の洒落たイタリアンのお店で。デザートのケーキが大きくて喜ぶ。

 

<続く>

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#180 トランスオーストラリアフットレース:Day51

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月25日(日) 雨・曇り・晴れ 

Halls Gap~111号~Stawell~A8号~Ararat~Buangor

 Day51 

ステージ距離:79.0km/総距離:3388.9km タイム6:47:43 

3位

 

朝スタートの前、ガソリンスタンドのところからカンガルーが飛び出てきた。

スタート時の告知は74km、実際は79kmだった。

 

Halls Gapは小雨、この大会で初めてロングスリーブTシャツで走りだす(途中で半袖シャツに着替えた)。

みんな(Kruglikovを除く)疲れているのか、見た感じ走りに精彩がない。

 

昨晩、BraianがBarに1人飲みに行ったまま帰りが遅く、由紀さんがわざわざ探しに行き、2人共朝まで戻って来ず。Mickは「No crew today!」と言って、僕と顔を見合わせる。由紀さんは車で出かけて行き、朝ごはんの食料が車に積んだまま。で、Mickにシリアルを分けてもらい朝食を済ませた。食後のコーヒーを飲んでいると、Braianと由紀さんが戻って来た。Mickは何事もなかった風にBraianと会話しているが、由紀さんと僕のほうは、ギクシャクして何とも話しづらい雰囲気が漂う。ともあれ、クルーが戻ったことでランに集中できるから良しとする。

 

朝ごはんのシリアルに牛乳を使い過ぎたためか、昨晩ピッツァを食べ過ぎたためか、走りだしてすぐの、まだ暗いうちにトイレに行きたくなったが、真っ暗で適当な場所がわからないから、明るくなるまで我慢する。それで1回目のトイレストップ、この間にドイツのMarkusに抜かれて8番手に。今日は、全部で3回トイレストップが入る。走りにキレがなく、3.5kmごとのエイドを頼りに、次のエイド、次のエイドと短い目標設定で進む。

 

Stawellの町へと向かうA8に入る。交通量が多い幹線道路に戻ってきた。全然ペースは上がらないが、他のランナーも同じ感じで、すぐ前にMihaly、Wolfgang、Mickの3人が一緒に走っている。そのグループから離されないように走りつつ、3人はそんなに速いペースではないため、Araratの町で追いつこうと目標を定める。42km(3:48かかった)でついに3人に追いついた。耐え忍んでようやくって感じ。Mihalyが「Dusanは、かなり前のほうを走っているみたいだね」と話しかけてきたので、「明日はリベンジだね!」って切り返したら、笑っていた。

レース終盤を迎えて、手作りの距離表示

レース終盤を迎えて、手作りの距離表示

そのDusanは50kmの手前で発見。Mihaly、Wolfgangと僕の3人のペースが上がる。3人の中で、僕はちょっときつくて下がり気味だったが、Dusanが近づくに連れて調子アップ(多分気持ちの問題)。Dusanがエイドで歩いているところを、3人で抜いて行く。このタイミングでさらにペースアップ、1人抜けだす。勝負どころでは一気に決める。Araratの町中もハイペース維持、1km5分を切るペースを続けられる限り続ける。後ろを振り返ることもなく、気を抜かず走りに走る。メルボルンまでのkmポストがいよいよ200kmを切った。それが励みになる。上り坂では、みんながきついのを逆手に取るように、差をつけるチャンスと踏ん張る。74kmのステージが突然79kmに変わったが、気にせず走る。Buangorの集落がゴール、3位だった。きついステージだったが、頑張れるときに全力を出し切るスタンスで。

 

Beaufortまで20kmのドライブ、町に入ってすぐのホテルに泊まる。30Aussie$。

外は日射しは強いが、なんとなく秋が近いなと感じさせる風。エアコンはもういらない。

 

今日、日曜日はホテルのレストランではディナーをやらないということで、外に出るがピッツァしかなくて、2日続けてピッツァになった。Barでジョッキのビール、うまい!

レストラン併設のバー

レストラン併設のバー

走っているときに、後頭部を虫(蜂?)に刺されたみたい。

 

<続く>

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#179 トランスオーストラリアフットレース:Day50

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月24日(土) 晴れ 

Horsham~Halls Gap

 Day50 

ステージ距離:77.2km/総距離:3309.9km タイム7:05:45 

5位

 

昨日の疲れ残り、5位に沈む。

15kmの上り坂と10kmの下り坂:Grampian-National-Park

 

背中・腰の左側に痛み有り。椅子からの立ち上がりや、歩き出しの一歩目にちょっと痛む。

 

昨日のゴールのガソリンスタンドがスタート地点。その横で、昨日4WDの運転でサポートしてくれた人たちが、朝からBBQやっていた。週末だからなのか、ランナー以外のそういった人たちがいっぱいいた。

 

スタートは、事情説明のないままに遅れ、待たされる。寒いので、車の中に待機。ようやく6時20分頃スタート。79km、Halls Gapまで。Horshamの町中は左側通行、先導車に続く。寒い中待たされて、いつになく脚が重い。Horshamの町を抜けて右折、124号に入り、Halls Gap方面へ。調子は上がらず、Wolfgangに抜かれた。16kmでトイレストップ、その後少し調子は上がるが、2~3日前ほどのキレのある走りとは程遠い。Wolfgangは見えているのに追いつけない。いつもなら、前にランナーが見えたら追いかけようとする「闘争心」が湧いてくるのに、今日はそれも無い。79kmの長丁場は、こんな低調の時には辛い。苦しい状況の中、ちょっとずつWolfgangに近づく。45km過ぎにようやく追いついて、追い抜いた。抜いた後は、頑張って引き離しにかかるが、そのスピードが続かない。

 

農場地域から、丘の中の木立の多い地域に変わり、だんだんと山に近づいて行く。Grampian-National-Parkの看板を過ぎると、一気に森の中の山道になり、上り坂が始まる。約15kmの上り区間を終え、下りに差し掛かったところで、後方のWolfgangが200mくらいに迫っていると知らされる。残り10kmは下り坂、ここは脚腰の痛みを無視して飛ばしまくる。このラスト部分だけ良い感じで走れた。ゴールはHalls Gapのメインストリート。(と言ってもそんなににぎやかなところではない)そのすぐ横に芝生広場があり、ベンチに座って軽く食事しつつリラックス。そうこうするうちにWolfgangが到着。

 

今日の結果は5位、Dusanとは10分ほどの差。今日の調子を考えれば、そのくらいの差で済んだことは上出来。また明日から頑張る。

 

Halls Gapは観光地なのか、ツーリストが多い。アメリカでいうとヨセミテみたいな感じ。風光明媚な山間地、ランコースとしてはハードだった。上り坂やアップダウンのコースは自信があるけれど、調子の優れない時は、さすがにきつい。今日は歩くことなく、走り切れたことで「良し」とする。

 

ゴールした公園の木立に、白いオウムが鈴なりに止まっていた。同じオウムは走っている最中も、上空からけたたましく「ギャーギャー」鳴いていた。↓↓キバタン

キバタン-1

キバタン-1

キバタン-2

キバタン-2

今日も、Mick達とモーテルをシェア。1ルーム92Aussie$。近くのキャラバンパークのキャビンが1棟90Aussie$、但し人数は2人限定ということで、モーテルにした。土曜日のキャラバンパークは、テントとモーターホームでいっぱいだった。そのパークのすぐ向かいに、岩肌むき出しの山がそびえ立つ。標高が高いため、とても涼しくエアコン無しでも十分。

 

晩ごはんは、ファミリーサイズのピッツァを2皿注文したが、4人でも食べきれず。

 

<続く>

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#178 トランスオーストラリアフットレース:Day49

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月23日(金) 晴れ 

Little Desert~Horsham

 Day49 

ステージ距離:65.9km/総距離:3232.7km タイム6:20:44 

4位

 

全体の6割が砂の上を走るハードな一日。腰が疲れた。ラストはA8 HWY。

 

朝5時から、ロッジのブレックファーストが用意されていて、シリアル1ボール、トースト2枚、コーヒーとオレンジジュースを摂る。

 

今日のステージは大半が砂漠地帯(砂の道とブッシュの生い茂る地帯)、そのため特別に地元のボランティアが4WDでサポートしてくれる。僕たちのサポートは、マーク・スミスさんと息子のアラン君。トヨタランドクルーザーに無線搭載、常にランナーの後方についてサポートしてくれた。

砂漠のステージ、サポートのスミスさん親子

砂漠のステージ、サポートのスミスさん親子

スタートは明るくなるのを待って、6時半になった。3km程舗装路、そこまではみんなゆっくり走る。オフロードに入った途端、いつもの先行グループのスピードが一気に上がり、置いていかれる。

Little Desert-1

Little Desert-1

Little Desert-2

Little Desert-2

Little Desert-3

Little Desert-3

砂の上は走りにくく、車の作る轍を選んで走っていたが、むしろ車の通らない脇や、轍と轍の間のほうが、砂がしまっていて走りやすいことに気づいた。その辺りを、左・右・真ん中と都度変えながら進む。ただ砂がしまっている所は、草が沢山生えていてデコボコだった。砂の中で力を浪費するよりは、そのデコボコのほうがずっと良い。距離表示とか当然ないから、何km走っているのか、まるでわからない。なので腕時計見ながら、「4時間の辛抱」と自分に言い聞かせながら、脚を運ぶ。視界を広くとりたいため、今日はサングラス無し。砂漠ということで暑さを気にしていたが、その点はまるで問題無し。

「あと500mで砂漠は終わりです!」と声がかかった時は、心底「助かった」と思った。左足土踏まずと腰の痛みが、極限に近かったから。ほっと一安心。ただし、砂の道を抜けてからもしばらくはダート・未舗装路は続いた。なかなかストライドが広がらず、ジョグで進む。ようやく舗装路になり、そこからゴールまで残り19km。いつものように3kmごとのエイドが始まる。ちょっと走ってから、トイレストップ。この後、脚が動き出し、52kmのところで、Bigジョージを抜いて4位に上がる。A8-HWYに出て、Horshamの町を目指して走る。道路右側にメルボルンまでの距離表示ポストがあり、1kmごとに311、310、309・・・と減っていくのを励みに走る。残り6kmと告げられてからが、長く感じた。Horshamの町はずれのガソリンスタンドがゴール。

Little Desert ステージゴール後、スミスさん親子と記念撮影

Little Desert ステージゴール後、スミスさん親子と記念撮影

砂漠のステージゴール後、スミスさん親子と。

砂漠のステージゴール後、スミスさん親子と。

サポートクルーをしてくれたマーク親子にお礼を言って、宿に移動。Wimmera Lake Caravan Parkのキャビン(コンテナ)をMick、Braianたちとシェア。キッチン付きで久しぶりの自炊。

初のオフロードステージでとても疲れた。信じがたいことに、Kruglikovは5時間11分でこのステージをカバーしている。その差1時間以上、力の差を見せつけられた。2位のAndreiは5時間48分、これは理解の範囲内。ちなみにAndreiの年齢は36歳、僕とそう変わらない。

右足の親指と人差し指の間に血豆ができた。血を抜いてイソジンで消毒。走りに影響することはないと思う。

 

<続く>

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#177 トランスオーストラリアフットレース:Day48

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月22日(木) 晴れ 

VIC・SA Border~Little Desert Lodge

 Day48 

ステージ距離:76.7km/総距離:3166.8km タイム6:08:34

3位

 

VIC・SA Border~Nhill~Little Desert Lodge

 

ヴィクトリア州に入り、同じ8号線だけどDukes-HWYからWestern-HWYに呼び名が変わった。路肩の幅が広くなり走りやすい。アメリカでもそうであったが、各々州ごとに財政状況が違うのか、道路の状態がガラリと変わった。

 

昨日同様、道路工事区間が何カ所もあったが、ずっと右側通行で進めた。この工事区間のタイミングで走りのリズムが低調になり、その繰り返しで、なんか疲れた。

久しぶりにDusanと並走する時間が長かったが、レース前半のようなフレンドリーさが無くなり、無言で走る。ネット上のコメント(僕のことを軽視するかのような)は本当っぽい。まあ良いけど。

 

15km過ぎにトイレストップ。道の脇に逸れる。木陰(ブッシュ)が道から離れているから、タイムロスが大きい。その間にDusanは200mほど先に行ってしまう。追いかけて徐々に差をつめ、30km辺りで追い抜いた。が、今日はどうもお腹の調子がすぐれず、またまた便意。ここはしばらく我慢しつつ様子見、走り続けた。そうしたら治まってきた。それとは別に、走りながらオシッコする。歩きながらは出来るけど、走りながらするのは難しく、練習した。(こういう特殊な状況下以外では、やることもないし、場合によってはペナルティーの対象になるから、大きな声では言えない)

 

今日の予定は52km、一度右折したらゴールのはずだったが、その地点を通過してもゴールらしきところはない。先行する他のランナーもそのまま走っているから、それに倣う。で、とうとう60km超えて、Nhillの町まで来た。街中を突っ切ると思いつつ進むと急に「右折」の矢印サイン、それが62km地点。ランの速度だと見落とさずに済んだサインは、車からは見落としたようで、クルーの由紀さん曲がらずに行ってしまう。気が付いて戻るまで30分以上、サポート受けられず。けっこう暑かったから、しんどかったし、口には出さないものの、「しっかり頼むよ」と思った。

 

このまま水・コーラ無しであと1時間あまり走ると思うと不安だった。少し前を走るAndreiに追いついて、彼のクルーから水をもらうことも考えた。

 

そうこうするうちに、赤いバンが追い越して行く。由紀さん復帰にほっと一安心、すぐにコーラをボトル1本飲み干した。久しぶりに70kmを越えるステージだが、後半になっても脚は快調。最後までペースダウンせず、むしろペースアップ。Andreiまであとわずかのところまで、追えた。

 

Little Desert Lodgeの入り口がゴール。今日はここに泊まる。一部屋36Aussie$、ディナーとブレックファーストがプラス18Aussie$。そのうち9Aussie$をバーニーが払ってくれた。由紀さんはバンで寝るので、1人部屋。

(この頃は、サポートクルーの由紀さんと嫌悪な雰囲気になっていた。今思うと、大変申し訳なく、反省しかない。)

 

バスタブがあり、久しぶりにお湯に浸かり、リラックス。

ディナーはハム、サラダ、ポテト、パンとフルーツサラダ。野菜中心のヘルシーメニュー。

 

素敵な宿・モーテルは、大きな町より田舎に多く、落ち着くし体が休まる、まさに穴場。(Iron Knobの近くに泊まった時もそうだった)

 

ここで、なぜか布製のショッピングバックと、この辺りを紹介したビデオテープをもらった。

 

明日は、砂漠を含むコースで、前半の40kmは通常の車が通れないため、4WDのオフロード仕様の車をサポートに付けてくれる。ランナー1人に車1台、地元のボランティアの人が付いてくれるそう。

 

VIC州に入り、時計の針を30分進めた。

 

<続く>

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#176 トランスオーストラリアフットレース:Day47

【オーストラリア横断日記】

 

2001年 2月21日(水) 晴れ 

Keith~VIC・SA Border

 Day47 

ステージ距離:65.0km/総距離:3090.1km タイム5:00:25 

4位

 

Keith~Bordertown~VIC・SA Border

 

夜中の2時半頃、由紀さんが戻ってきた。新しく借りたバンに乗って。

彼女は常々「ランナーズ・ファースト!」(ランナーを一番に)と言っているだけあって、こんな夜中まで動いてくれている。

が、さすがに今日のサポートはお休み、主催者の使っているモーターホームの中で半日寝ていた。代わってKawikaがサポートしてくれる。

主催者提供のモーターホーム(キャンピングカー)

主催者提供のモーターホーム(キャンピングカー)

今後の車のことやら心配で、僕もそんなに寝てないが、とにかく今日も突っ走る。

 

今日はハンガリーのMihalyが好調で、スタート直後は僕のすぐ後ろを走っていたが、そのうち前に出て、どんどん先に行ってしまった。4番手で一人旅。

 

Kawikaのサポートは、元々がランナーで参加していただけあって、安心して任せられる。途中、道路工事の場面が何回かあったが、彼の指示で右側通行・左側通行を使い分け安全に進めた。その工事区間は、長い時には3kmにも及ぶため、直前で車を止めては、水・コーラを渡してくれる。

ありがとうKawika。(以前にも紹介したと思うけれど、KawikaとBillはハワイアン。KawikaはUltramarathonのランナー。トランスアメリカフットレースを完走している。そしてスモーカー、自然体で生きている感がにじみ出ている人)

KawikaとBill

KawikaとBill

残り距離があいまいではあったが、Bordertownを通過して州境まで20kmは無いはずと、頭の中で計算。ここ数日の好調な走りは今日も顕在で、50km過ぎてもスピードは落ちない。道路標識に「Melbourne」の文字が多くなり、「M450」のキロポストが現れた。その辺りで前を走るMihaly発見。だいぶペース落ちてダラダラな感じ。どんどん差を詰めて、ラスト3kmからさらにスピードアップしたが、僅かに届かず。

 

今日のメイン道路はDukes HWY 8号線。Mihaly復活の3位に次いで4位でのフィニッシュ。

Bordertownに戻りParkland Motelに、今日は1人でホテル泊。

由紀さんは大会側の用意したフリーのフットボールクラブの施設に泊まる。

あと18日間、このギクシャクした関係で続けるのは、しんどいな。

 

<続く>

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櫻井要のオーストラリア横断日記