sakaname’s blog

日頃のランニングやサイクリング、トレーニングをメインに、今読んでる本の事など綴ります。

#204 呼吸-4

鼻呼吸看板

鼻呼吸看板

 持久系アスリートのパフォーマンス向上に役立ちそうな物質のひとつが、一酸化窒素です。かつて光化学スモッグの要因とされていた窒素酸化物は、大気汚染の代名詞のように扱われていました。排気ガス、公害のイメージが強いと思います。それが体内で適量産生することで、以下に掲げる働きをすることがわかっています。

<一酸化窒素の体内での役割・働き、そして影響を及ぼすもの>

血行の促進(毛細血管を広げる働き)・細胞に酸素を送り込むこと、
免疫機能、気分、性機能などは、体内の一酸化窒素の量と関わっています。

・気管の平滑筋を拡張する働き→気道や血管を拡張する。呼吸機能に有効。気管が広くなると運動時の酸素運搬能力が上がる。
・抗ウィルス・抗菌の働き→免疫機能に関わる。
・血圧の調整→高血圧予防
・恒常性(ホメオスタシス)の維持
・神経伝達
コレステロール値を下げる
・動脈の老化を防いで柔軟性を保つ→心臓発作、脳卒中の予防。動脈瘤の予防。


以上、体内でとても重要な働きをしています。

では、その一酸化窒素はどこからやってくるのでしょうか?

 

<体内で一酸化窒素がつくられる場所>
 まずは、鼻腔内(副鼻腔粘膜より分泌)。一酸化窒素は鼻呼吸によって副鼻腔で放出され、気道から肺に送られます。鼻呼吸するだけで一酸化窒素が口呼吸の6倍に!口呼吸だと鼻の奥にある一酸化窒素を素通りしてしまうため、一酸化窒素が健康に与える利点を全く生かすことができません。

 そして、全身に張り巡らされた血管内壁(全長10万kmにもなる)。血流を速めることで血管内皮細胞から放出されます。

 鼻呼吸して運動することが、体内での一酸化窒素の働きを高めるのに有効、ということがわかります。

 

 鼻から入った空気は、まず鼻甲介と呼ばれる紙を巻いたような形をした海綿状の骨を通過します。この骨の役割りは、入ってきた空気を規則正しい一定のパターンに整えること。鼻の内部は袋小路のようになっていて、弁と鼻甲介が入ってきた空気の向きと速さを調整し、細い動脈・静脈が張り巡らされたネットワークに、最大限の空気が触れるようにします。それと同時に鼻の粘膜にも最大限の空気が触れて、肺に送られる前に空気を温め、加湿と殺菌が行われます。(例えば外気温6℃の空気が鼻腔を通過すると、喉の奥に達するまでに30℃、さらに肺に達する頃には体温と同じ37℃になります)(粘膜によって大量の細菌やバクテリアが除去されます)


 鼻呼吸は口呼吸に比べ気道抵抗が約50%大きくなり、そのため呼吸量が減ります。その為排出される二酸化炭素も減り、血中の二酸化炭素が適正量に保たれ、細胞への酸素の放出量が約20%増えます。

 

 

<一酸化窒素の産生を増やす栄養素>
Ⅼ-アルギニンとL-シトルリン
L-アルギニンは成長ホルモン分泌を促進します。タンパク質合成を促す働き。
食品では大豆、マグロ、卵、ニンニクなどに多く含まれています。
L-シトルリンは血管をしなやかにして血流を促す働き。
食品ではスイカやメロンなどのウリ科の植物に多く含まれています。

 

鼻呼吸を取り入れつつ、食材のバリエーションを考えて、一酸化窒素の恩恵に与りましょう!さらに一酸化窒素を15倍放出させる方法が鼻歌とハミング。1日5分かそれ以上続けることが推奨されています。

特に難しく考えることなく、普段の呼吸に意識を向けるだけのことなので、お試しください!

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櫻井要のオーストラリア横断日記