初めての海外遠征の最終レースは、初めてのアイアンマンディスタンスのトライアスロン、そして初完走できました。そのレース顛末を少し紹介。
スイム3.9kmは、冷たい大西洋の海の中、2時間18分かかりました。タイムリミットが2時間30分だったから、結構やばかった・・・なんでそんなにかかったか、泳力の問題が一番大きいにしてもかかり過ぎです。言い訳の一つ、目印のブイが少なかったから。通常は100m間隔くらいには、大きめの、円錐形の、オレンジ色の、目立つブイが設置されているものですが、それが少なかった。陸上から海面に浮かぶブイを見ると、よく見えているので問題ないように感じますが、実際泳ぎながらヘッドアップしてブイの確認をするのは、それなりにテクニックが必要です。そういう泳ぎ方の練習が足りていませんでした。さらに、この時着けていたゴーグルのレンズカラーがピンクだったので、傍らにいたライフガードの指示「ピンク色のブイを目指せ!」っていう声を聞いても、全部ピンク色に見えて、どれが目指すべきブイか混乱していました。(信じられないことにレースと関係ないブイも浮かんでいた)だいぶ蛇行して泳いでいたようです。(今ならGPS機能付きのウォッチがあるから、泳いだ軌跡を後から追跡できるので、実際の泳いだ距離がわかります)
どうにか制限時間内にスイムを終えて、次のバイクへとトランジション。ほぼ全てのバイクは出て行った後の、ガラガラのバイク置き場から、スタート。前を行く選手を追い抜く毎にカウントしていました。130人くらい追い抜いた後、カウントするのを止めました。抜かれることは無し。スイムで遅れたのが要因とはいえ、抜き去るのばっかりって、かなり楽しい。
続いてのランはフルマラソン。ここもほぼ追い抜く一方でした。バイクとランのタイムは覚えていませんが、トータルで11時間18分43秒でした。順位も覚えていません。「あっ、終わった。終わってしまった」それがその時の感じ。終わった安心感・安堵感と、まだこのままレースの雰囲気に浸っていたい欲張りな気持ち、その両方がまぜこぜになり、得も言われぬ充実感を味わいました。(これ以降、こんな感覚は、何回も出場したハワイアイアンマンでもなかった。この時に近い感覚はレースアクロスアメリカのゴールまでなかった)
ゴールした後の、チキンスープがやたらに美味しかったのは、良く覚えています。日が暮れ始める中、暖かい飲み物が、体も心も暖かく包み込んでくれるように。(ただの塩分不足かもしれません)
スイムで使ったウエットスーツやら、バイクシューズやら、レース道具一式をビニール袋に詰めて、5km程離れたユースホステルに戻りました。その後のことは、ほとんど覚えていませんが、翌朝、お腹が空き過ぎて目が覚めたのは、覚えています。
ニューヨークシティまではグレイハウンドのバス。
初めての海外は、こうして無事に終えることができました。
これをきっかけに、プロのトライアスリートへと、道が進みます。